蒼薔薇の書斎

WT2シルバーレイン、WT3エンドブレイカーの日記のお部屋です。

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ぼんやりと(ブランシェ)

本のページを捲っていた手が、いつの間にか下に落ちていた。
瞳は暗い窓を越えて、その向こうの黄昏の空へ彷徨っている。


最近、時折この双子の弟は今までにない表情をする、と部屋に入ってきたブランシェは思った。
それは、辛い恋を知った女のような物憂げな笑みであり、手の届かない望みを忘れようとする老人の眼差しであり。
はっきり言って、9歳の少年には相応しくないものだった。

何をいい子ぶっているんだか…。
ブランシェは小さく笑う。彼女は常に溢れるばかりの情熱を持っており、行動しないで諦めることなど論外、若者らしい無鉄砲さや傍若無人さを愛する少女だった。

「そういえば、妖狐の処遇ってどうなったのかしら?」
ブランシェは口に小さな生チョコを一つ放り込むと、弟の気を引くために声を掛けた。
途端に、止まっていた手が動き出すのを見て、笑いを噛み殺す。

「ブランシェ、いつからそこにいたの?」
にこやか過ぎる笑顔を浮かべてテディは振り返る。
「今さっきよ?…ほら、お菓子」
ブランシェはてんこ盛りにチョコを乗せた皿を、猫足のチェステーブルの上に置く。
テディは手を伸ばして一粒口に入れ、甘い、と呟いて笑った。

「今、ちょうど妖狐のこと考えてたんだけど」
「仲間にして置いて裏切ったら、心置きなく殺せていいとか思ったでしょ」
「…いや、まぁ、そうなんだけど」
少年は小さく苦笑する。
「もし捕まった中に大切な人がいて、どうしても殺されるのが嫌だったら。仲間になったふりをして、なんとかその人だけでも助けられないかって思うかもしれないよね」

「…どっちにしても、裏切るの確定じゃない」
ああ、そうか。そうだよなぁ。とテディは笑って、もう一粒チョコレートを口に運んだ。
その表情が屈託のないものだったので、ブランシェはこっそりため息を吐いた。




「この国では、狐って結構情が深いものだって思われているらしいよ」
「は?何呼んでたのよ…あ~、安部晴明?」
「恋しくば たずねきてみよ 和泉なる 信太の森の うらみ葛の葉…ってね」
「…あの文曲は、葛の葉姫とは違うタイプに見えるけどねぇ」

そんなことを話ながら、双子の夜は過ぎて行く。














判りにくいですが、元気のない弟を慰めるブランシェです。(笑)
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