蒼薔薇の書斎

WT2シルバーレイン、WT3エンドブレイカーの日記のお部屋です。

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揺らぎ。(テディ)

学園ではみんなが戦っているのに。
…自分はここで何をしているのだろう、と。
セオドアはそう思った。


夏は貴族の社交のシーズン。
どこぞの誰の新築祝いだの、婚約パーティだの。
くだらない理由で、彼は引きずりまわされる。
本当に祝いたい人たちとは遠く離れて、ゴシップの海や、心の篭らない媚の中を、笑顔で渡りきらなくてはならない。
堅苦しく、また煌びやかな衣装が、華奢な体に妙に痛々しい印象を与えた。

「あの可愛らしい少年が…」
「まぁ、最年少の当主…」

遠巻きにおべっかとも付かない賞賛の言葉が囁かれたが、時にそれはチクリと毒の棘を刺す。

「一族の血を汚した、恥さらしの」

そんな言葉を聞いたのは、セオドアが人ごみから逃れて、バルコニーの手すりに寄りかかった時のことだった。
見下ろせば、中庭の白い彫像のある噴水の木陰で、男たちが趣味の悪い悪口に興じているのだった。

「人の腹から生まれた子を、跡継ぎにするとは…落ちたものだ」

得意げにそう語る者たちは、彼がそこにいるのも知らず、また知っても何も出来ぬ若輩者よと侮っているのだろう。
冷たい大理石に頬を乗せ、セオドアはぼんやり考える。

姉のブランシェならどうしただろうか。
ドレスの裾が傷むのも構わず、ここから飛び降りて、「無礼者!」と叫びながら平手打ちを食らわしたに違いない。
彼女は誇り高く、また卑怯なやり方を嫌うので、小気味良く明朗に相手を裁く。
すなわち、子供に平手打ちされると言う、屈辱を与えることによって。

その点、自分はどうなのだろう。腹は立たない訳ではないが、その気持ちは酷く冷たく冷め切っている。
自分が聞いていたことを公けにする気も無いし、また顔を打ちたいとも思わない。


冷ややかに彼らを一瞥してから踵を返すと、闇夜に重い悲鳴が上がった。




…ふわりと靡いたマントの裾に、無数の吸血蝙蝠が溶けて消えた。













++++++++
リアイベに出られなくて、八つ当たりしている話、と書くと、台無し感が漂いますね(笑)
もう少し暗めの話にしたかったのですが…精進が足らず。
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