蒼薔薇の書斎

WT2シルバーレイン、WT3エンドブレイカーの日記のお部屋です。

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忌まわしき、過去の記憶。(アキシロ)

仕事が終わり、アキシロは自分の部屋に戻ってきた。
時々やってくる長い毛並みの猫も、今夜はいないようで、少し寂しく思う自分に、密かな苦笑を浮かべる。
従僕という仕事柄、一日緩めることの出来ないネクタイに手をかけて、ゆるゆると引き抜く。
上着を脱ぎ捨てて寝台に放ると、シャツの第一ボタンを外しながら、椅子に腰掛けた。

(今年もまた、この季節が…)

手袋を外すと、右手の甲から手首に掛けて、引きつったような火傷の痕があらわになる。
人前ではけして脱がないシャツ、その下にも同様の痕が一面に残っていた。



yukiu=7


銀色に輝く冬の夜。
街はクリスマスが近付き、楽しそうに賑わっていたが、その屋敷には届かなかった。
病弱だった幼い少女の命が、今にも尽きようとしていたから。

アキシロ…その時は本当の名前で呼ばれていた彼は、まだ5歳の無力な少年だった。
消え行く命に何をすることも出来ず、ただ、妹が喜ぶようにと長く伸ばした髪を、病身のか細い指に任せて三つ編みにされたり、摘んできた花を枕元に飾ってやるのがせいぜいで。
その夜も、うとうとと枕に頭を埋めつつ、彼女のことを考えていた。

始めに感じたのは、冬とも思えぬ空気の熱だった。
(あつ…い…)
気付くと、自分の周辺を真っ白な蟲が埋め尽くして、彼の身を守っていた。
その異様さに気付く前に、彼は慌てて飛び起きることになる。

「燃えてる…!」

床も、壁も、カーテンも、いきなり地獄の業火にでも投げ込まれたかのように、激しく燃え上がっていた。
慌てて部屋を飛び出し、両親と妹の名を呼びながら、妹の部屋に向かった。

そこで目にしたのは、異様な風景だった。

小さな妹は、手に燭台を持って部屋の真ん中に佇んでいた。
両親とおぼしき黒い塊が、寝台の周辺に倒れ付している。
何より不思議だったのは、炎が彼女をまったく傷つけていないことだった。

「……カ!」

名前を呼んだ。少女は人形をしっかりと握り締めたまま、身じろぎもしない。
手を掴み、引き摺るようにして屋敷を抜け出した。
小さな体を抱き締めると、電流のように熱が体を焼いた。
それでも離さずに名前を繰り返すと、ようやく少女から反応を感じた。

「…おにいちゃん?」
妹は小さく瞬きをした。安堵すると同時に、ズキッと火傷が痛む。
「おかあさんは…?」
あどけなく聞く少女には、今夜の記憶が何一つ残っていない様子だった。











雪羽の「ひとひらの雪」に対するアキシロの回想。
これも暗めです。。(苦笑)
イラストはlilium様。
素敵な絵をありがとうございます!!

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