蒼薔薇の書斎

WT2シルバーレイン、WT3エンドブレイカーの日記のお部屋です。

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続き。(アキシロ)

「お前には能力者としての素質がある」

アキシロがそう言われたのは、幾つ目かの孤児院を追い出される寸前のことだった。
アキシロは6歳。雪羽は5歳になっていた。
日本、というあまり馴染みのない国から、孤児院を視察に来た黒髪の男は、唐突にそう切り出した。


「その力を伸ばす気があるなら、うちで引き取っても構わない」
「妹は?」
「ああ、その子は駄目だ。体と心が弱すぎる。力をコントロールするどころか、大きすぎる力に逆に飲み込まれてしまうだろう」

アキシロは必死に頼み込んだ。
もうすぐ雪の季節がやってくる。今、一人で放り出されたら、妹はおそらく…。
「お願いです。僕はどうでもいいですから、どうか、妹を引き取って下さい。
この子に、温かい部屋を…」

男はアキシロの様子を面白そうに見やり、怯えた目をした幼い少女を眺めた。
男はアキシロの手を取り、近くに引き寄せた。

「契約は、判るか?」
「……契約?」

男は、アキシロの手のひらに、複雑な模様を指で描いた。

「お前に、一年、やろう。
一年で、一人前の術者になり、我が星宮家の”形代”として働くなら、ずっと妹の面倒を見てやる」

「一年…」

今なら判る。能力のなんたるかも知らない子供が、一年で術を身に付け制すすべを覚えこむのが、いかに難しいかを。
しかし、彼はまだ何も知らず、無知ゆえの純粋さで契約を交わした。


日本に連れて行かれた二人は、まず名前を取り上げられ、術者としての名を与えられた。
影代(アキシロ)…主の影となり、身代わりと成るもの。
雪羽(ユキウ)…雪のように儚く、また炎を身でもって鎮めるもの。
やがて一年が経ち……7歳になったアキシロは、遠くイギリスのスチュワート家に養子に出され、雪羽は陰鬱な古い屋敷に幽閉された。
二人が偶然のように銀誓館学園で巡りあうまで、それから一度も顔を合わせることはなかった。



火傷の痕が残る手の甲から、アキシロは手のひらに視線を移す。
誓いの印は、雪羽が死ぬまで、彼を拘束し続ける。

見えないほど微かに描かれたそれは…









美しい雪の形に似ていた。

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